【農地】

はじめに農地について

この度は野口真守行政書士事務所のHPをご覧いただきありがとうございます。当所は都心部の大阪市内では珍しい農地森林、相続土地国庫帰属制度専門の行政書士事務所です。全国各地の農地や森林の、相談調査・手続等をさせていただいております。あわせて相続土地国庫帰属制度の相談・調査・書類作成代行をおこなっております。農地・森林の活用でお困りでしたらお気軽にご相談下さい。

○国土の約12%は農地

日本は世界でも稀にみる、自然豊かな国。

特に森林は、国土の約67%あり、また農地も約12%にのぼります。そのため日本では、水の確保がしやすく、農作物も育てやすくもあります。特に水が豊富にあるため日本は米どころの国になることができたといえます。

しかし現在、人口減少をはじめ、農業従事者の高齢化や減少、農地相続による耕作放棄などにより、農地面積は年々減少しています。


○農地の種類について

農地と一言でいっても、さまざまな種類があります。

例えば、水田の田んぼをはじめ、畑や、くだものなどの果樹も農地にあたります。また近年人気のイチゴやトマトなどのハウス栽培や水耕栽培もあります。農地は、その地域の土壌や気候などにあった農作物を育てられています。そのため、その農地がどのような地域に立地しているか、どのような農作物を育てているかなどにより農地の種類は異なります。

また不動産登記記録上の農地については「田」または「畑」になります。そのため、現況が農地以外(例えば、居宅や駐車場、資材置き場など)であっても不動産登記記録上が「田」または「畑」の場合は農地の可能性が高いため注意が必要です。

そのほか農地には、水路や里道、ため池など耕作するには欠かせない土地もあります。


○現在の農業について

現在、農業は大きく変化しています。

これまでの1次産業(生産)のみの農業から、2次産業(加工)、3次産業(販売)までを一括に行う「6次産業化」をはじめ「地理的表示制度(GI)」や「地域団体商標」による農作物のブランド化と海外輸出、AI管理による生産性の向上など、農業の事業は幅広くなってきており、それが農業従事者の所得増加へ繋げています。

またコメ騒動による農業法人の拡大や農地の集積、農業雇用の増加にあわせて農業に興味を持つ人も増え、都市部から地方へ移住も少しずつ増えてきています。

今後の課題は、新規就農者の農地規制緩和や農地相続による耕作放棄地の集積及び増加対策などが重要と考えられています。


農地の問題について

○農地の相続問題

農地で一番の問題が相続。

農林水産省発表の『農業労働力に関する統計、基幹的農業従事者(個人経営体)』によると令和4年度の農業従事者の平均年齢は、68.4歳といわれ、今後、更に増加していくと思われます。そのため農家の相続が増加による担い手の確保と耕作放棄地の増加対策が必要です。

また農地はほかの不動産に比べ価値が低いため、相続登記されていない未登記農地も多くありましたが、令和6年に相続登記義務化によって少しずつ解消されています。農地所有者を明確にすることによって相続人による農地の集積に繋げることが今後の課題と考えられています。


○農地規制と手続の問題

農地は、相続するにも市町村への届出が必要。

農地はほかの不動産にない規制があります。例えば売買や貸借などをするにも許可が必要となり、相続する場合でも、市町村への届出が必要となります。また土地の地目を変更する場合は許可が必要です。

これは「農地法」と呼ばれる法律による規制で、農地の状態のまま所有権の移転、設定等をする場合(3条許可)、農地を農地以外に利用する農地転用をする場合(4条許可)、第三者に農地転用して所有権の移転等をする場合(5条許可)などがあり、これらはそれぞれ手続が必要です。

個別の事案として、農地転用をせずに建物が既に建っている場合や駐車場として利用している場合、農地が森林化している場合は、個別の手続が必要になります。

このように農地は規制が多く、ほかの土地と取り扱いが異なるため、万一、これら手続を怠ってしまうと最悪の場合、農地へ原状回復するよう命令がされる場合もあります。

また農地はこれだけでなく、小作権などの「利用権」の設定がされている場合があります。これは所有権など不動産登記事項証明書で確認することができる「物権」ではなく、農地を耕作することができる権利である「債権」のため、不動産登記事項証明書では確認することができない権利になります。この「利用権」が設定されている場合は、権利移転や地目変更などの許可は下りないため注意が必要です。

以上により、相続した又は相続する農地についての現況や規制、権利設定、受益地などを事前に確認することが重要です。なお農地については、一般の方では解決できない個別事案も多いため専門の行政書士に相談するのが有効です。


○農地の立地する地域の問題

農地は、地域性が高い土地である。

農地の多くは、一筆のみで構成されているわけではなく、複数筆の農地によって構成されています。そのため、所有者の農地だけでなく、隣接する農地についても注意しなければならず、農地周辺の水路や里道、ため池なども同様です。

また農地の立地によっては、地縁団体が存する場合があります。一般的に水利組合や土地改良区、自治区などがあります。これら地縁団体によっては、団体施設(ため池など)を管理するため組合費を徴収していたり、草刈りなどの作業に参加しなければならない場合もあります。

そのほか近年問題となっているのが、これら地縁団体の組合員減少による団体施設の管理費が賄えないことです。これにより、団体施設が利用できなくなる整備不良による事故の発生などが考えられます。


農地の手続や支援について

○農地相続の手続について

当事務所は、北は岩手県から南は鹿児島県まで20府県の実績。

上記でも記載したとおり農地を相続するには届出が必要です。また相続した農地が組合などの地縁団体の受益地であった場合は組合員の名義変更手続、小作権などの権利設定が存する場合はその解除手続、違反転用の手続など農地の相続手続は多岐に渡ります。


○農地の個別の事案・手続について

当事務所では、個別の事案にも対応しております。

相続した農地の多くは売買や貸借、農地以外に利用するなど様々な活用方法があります。ただし農地を活用するにはその活用方法によって規制があり手続が必要です。

農地は、農地が立地する市町村や農地の現況、農地の区分、地域性、そのほかの状況によって農地の手続が多岐にわたり、また同じ事案であっても市町村によっては手続が異なります。そのため手続を行うには、農地に関する知識や経験が必要です。

農地手続には農地転用許可があります。農地を農地以外に利用するための許可のことで、農地法の4条許可又は5条許可がそれにあたります。この4条許可、5条許可は原則、農地を転用する前に申請手続をおこなうのが一般的です。しかし、相続農地によっては許可なく農地転用をしている、いわゆる違反転用があります。例えば、許可なく農地を駐車場にしている場合や農地上に住宅が存する場合などがそれにあたります。違反転用の注意点としては、その土地が農地であるか違反転用であるかは、見た目ではわからないこと、場合によっては原状回復命令が通知される可能性があるので注意が必要です。

そのため相続農地についての調査や手続は専門の行政書士へ相談します。


○農地の活用支援について

令和5年4月27日より開始した『相続土地国庫帰属制度』の利用。

これまで農地についてさまざまな内容をご紹介しました。その中でも特に農地相続は、大きな問題となっています。そのため当事務所では、農地を相続された相続人とともに、これからの農地活用を考え、支援をおこなっていきたいと考えております。

まずは農地相続の手続をおこないます。相続の届出をはじめ、組合等の調査、小作権等の権利設定の確認、地目と現況が異なる場合の手続、その他必要な手続があれば手続、支援いたします。

農地の相続完了後は、相続人が農地を管理ができるのであればその活用を支援し、管理ができないのであれば、売買や貸借などができるかどうかの相談、調査、手続などの支援をおこないます。

活用方法の例として農家への売買又は無償譲渡のほか、市街地に近い農地については農地以外の活用方法も検討、調査します。ただし農地の現況や立地によっては、相続した不要な土地として国に帰属させることができる制度である『相続土地国庫帰属制度』の利用も検討します。

相続土地国庫帰属制度とは、令和5年4月より開始し農地はをはじめ森林や宅地、雑種地などの土地であって要件を満たせば、国に帰属させることができる制度です。そのためこれまで放置されていた農地や放置される可能性がある農地の制度利用が期待されます。

最後に、農地の活用で最も重要なことは、農地を放置しないことです。活用ができない農地は、実際に多くあります。しかし『相続土地国庫帰属制度』のように新たな制度や法改正による緩和など国や市町村などの自治体も使われない土地を活用できないか常に模索し土地活用に繋げようとしています。

今は農地の活用ができなかったとしても、新たな活用方法が考えられるかもしれません。そのため農地活用をあきらめず、長い目でみるのも一つと思います。


農地以外の土地について

○農家住宅について

農地と同じだけ農家住宅の問題もある

農地があるところには必ず、農家住宅があります。農地が放置されている場合、農家住宅もあわせて放置されていると考えるのが自然です。そのため、農地の活用方法を考えるときには、農家住宅の活用方法もあわせて考える必要があります。

農家住宅は、通常の住宅と異なり規制がある場合が考えられますので注意が必要です。特に、都市計画の市街化調整区域にある農家住宅は注意が必要です。この場合、農家だけが居住することを認められていることが多く、売買や貸借をすることができません。そのため売買や貸借をしようとする場合、事前に手続きが必要となります。この手続をせずに売買、貸借等をおこなうと後々、問題となる可能性があります。

そのため農家住宅についても費用は掛かりますが、専門の行政書士に相談します。


○利用できない農地について

分筆された建物を建てることができない小さな土地など

最後に、利用できない農地についてです。農地でも10㎡に満たない場合がありますが、このような小さな農地や利用できない農地でも固定資産税は発生し、所有し続けている限り税金を納付し続けなければならず、所有者の負担となっています。

これまでは、このような土地も相続し続けなければなりませんでしたが、上記でも記載した『相続土地国庫帰属制度』を利用することにより、相続人の負担をなくすことができる場合があります。

相続土地国庫帰属制度の手続支援については こちら

そのほかの土地についても要件を満たせば制度を利用できますので、例えば、遠方の不要な土地などで利用するのも一つかもしれません。


他士業との連携

○提携先他士業との連携

当事務所でおこなうことができない業務は専門の士業へ。

農地のほか、土地に関する相続手続きをおこなう場合、各専門士業との連携は欠かせません。そのため、当事務所では、各専門士業ごとに業務を提携し、ご依頼者様の負担にならないようワンストップで手続きをおこなっております。※各士業の費用は別途に掛かります。

もちろん、ご依頼者様ご自身で他士業と委任契約された場合も、ご対応させていただいております。

各種事務担当の士業について

  • 不動産登記簿の権利部に関する事務等:司法書士
  • 不動産登記簿の表題部に関する事務等:土地家屋調査士
  • 固定資産税等、税に関する事務等 :税理士
  • 農地の権利、近隣農地との紛争がある場合:弁護士
  • 不動産売買・貸借の媒介、仲介等:宅建士 ほか

農地に関するご相談はこちらまで

以上が、農地に関する活用支援のお話しとなります。

農地の問題は、個別具体的な場合が多く一概にはいえませんが、ただ一つ農地でやってはいけないことは農地を放置することです。放置し続けても何も解決はせず問題が大きくなるだけです。

現在、少しずつではありますが国や市町村等の自治体も所有者不明土地について法改正や新制度を開始しており、当事務所もそれにあわせて業務をおこなうよう心がけております。

上記でも記載致しましたが、今すぐに農地を活用できなかったとしても将来に備えて活用することをいっしょに考え次の世代へ農地をつなげていければと思っております。

そのためには、まずはお気軽にお問合せ下さい。全国各地、どちらの農地でも構いません。

はじめの第一歩は、放置しないよう行動を起こすことです。

当事務所は、そういった方のお力になれればと思っております。