こんにちは。行政書士の野口です。
今回は、使用していない所有土地を放置することのリスクとその対応についてを紹介します。
これは現在多くの方が悩んでいる問題であり、また今後更に増加すると考えられている問題です。
放置しておくことのリスクを認識し、早期の対応に繋がればと思います。
土地に関する負担
まず、リスクを紹介する前に、所有土地を放置することによる負担を考えます。
大きく2つあります。
【①固定資産税等】
相続等により土地を所有することになった場合、まずはじめに思い浮かぶことは
『固定資産税』についてです。金銭の負担は必ずついてまわります。
自身で利用したり、誰かに賃貸できる土地であればよいのですが、そうでない場合
この『固定資産税』が金銭の負担となります。
また注意しておかなければならないのは、『農地』などの土地は地目により『固定資産税』を優遇してもらっており、『非農地証明書』が通知されると、『農地』でなくなるため、『固定資産税』が上がってしまうこともあります。
【②管理】
二つ目はその土地管理についてです。
土地は放置すると劣化したり、不法投棄などがされる場合があります。
そうなってしまうと所有者自身で処分しなければならず、余計な負担となります。
また管理をする際、自身で行う場合は休日など時間を割かねばならず、また業者に頼むとなると費用が掛かります。 つまり管理維持するにも時間的・金銭的負担がかかるのです。
土地を放置することのリスク
上記で土地の負担を紹介しましたが、土地の放置リスクは『管理』に関することが多いです。
【①周辺とのトラブル】
土地の所有者は土地を利用する権利はもちろんありますが、反対に管理する義務も負います。
時間がない、遠くに所有する土地があるとしたとしてもその責任を負います。
また『管理』ができず放置し、周辺に影響を与えた場合、周辺住民とのトラブルに発展する場合もあります。 そして、その周辺トラブルが大きくなると行政から指導などを受ける可能性もあります。
【②周辺住民に助けてもらえなくなる】
周辺住民とトラブルになることはデメリットしかありません。 所有者自身で管理できない場合、その土地の管理をお願いしやすい相手は実は周辺住民の方なのです。周辺住民の方は土地の荒廃を抑制することにより地域の環境を維持できるというメリットもあるため、win winの関係になりやすいのです。
【③土地の買い手・借り手が見つかりにくくなる】
これも実は上記②と同じで、その土地の買い手・借り手というのは周辺住民が最も確率が高いのです。
特に『農地』や『森林』などは地域住民の土地に隣接していればしているほど買い手・借り手となりやすいのです。 そのため、地域住民と少しでもトラブルが起きてしまうと買い手・借り手が非常に見つかりにくくなるのです。これは、『管理』をお願いする時も同様です。
【④土地の価値が下がる】
土地を放置して荒廃してしまうと、土地利用するのに費用が発生してしまうため、土地の売値・賃料を高く設定しづらくなってしまい、おのずと低くなってしまいます。
以上、4つが土地を放置することのリスクですが、これは実は土地利用に関するリスクでもあるのです。
土地の対応について
上記で土地を放置することのリスクを紹介しました。ここではそのリスクを回避するための対応を紹介します。
【①早期に土地の現況を確認する】
まず、相続などにより土地を所有することになったらできるだけ早くその土地へ実際に行ってみることをお勧めします。グーグルマップなどで確認するのもよいですが、実際に行ってみることにより得られる情報も多くあると思います。『農地』などの場合、農道や水路など実際に行って確認した方がよいところもあります。
また、地域住民の方と会う機会があれば、色々話を聞くことにより、どのように土地利用をしていくことができるか、ヒントをもらえることもあります。 また一目会うことにより距離が縮まり色々と協力してくれるかもしれません。
【②管理計画をたてる】
所有土地の現況を確認したら売るにしても貸すにしても相手方が見つかるまでは所有者自身で管理しなければなりません。そのため、しっかり管理計画を考えなければなりません。所有者自身で管理が難しいと思えば、周辺住民の方に手伝ってもらえるかも考えます。これを疎かにして、土地を放置してしまうと上記リスクが発生し、土地利用がしづらくなります。また、土地を売る・貸す際に価値が下がってしまうこともあります。
【③土地利用方法を考える】
土地の管理計画ができたら、今後の土地利用を考えます。土地を売ってしまうのか、貸すのか、または所有者自身などが利用するのかなどを考えます。その際、その地域に合わせた土地利用をすることをできる限り考えて下さい。そして、周辺住民の方に相談することをお勧めします。上記でも書きましたが、買い手・借り手は周辺住民が最も可能性が高いのです。そのため、決して独りよがりにならず、出来る限り地域のことを考えて利用を検討して下さい。
以上、3つの対応をすることにより、リスクを減らし、土地利用をしやくすなります。
最後に
以上、土地を放置することのリスクと対応についてを紹介しました。
知らない土地を相続した時、どうしたらよいか困っている相続人の方は多くいらっしゃると思います。 また相続人の方と同じように、その土地の周辺住民の方も土地が放置されることにより困っている場合もあります。
当所は、所有者と周辺住民がその土地を上手く利用できるよう共に考えるお手伝いができたらいいなと思っています。 土地利用に困っている所有者の方、お気軽にご相談いただければと思います。
今回は以上です。 ありがとうございました。