みなさんこんにちは。
今回は、行政書士の相談業務の中でも特に多い
『家族が亡くなった場合』について一般的な手続き等を書きたいと思います。

被相続人死亡後の手続き手順
まずはじめに、家族が亡くなった時の手続き手順をご紹介します。
手続き手順を大きく分けると3つあります。
①期限に余裕のない手続き
②期限に余裕のある手続き
③相続に関する手続き
の3つです。
それでは、ここからそれぞれについてご紹介します。
①期限に余裕のない手続き
人が亡くなった時、さまざまな手続きをしなければなりません。
また、手続きには優先順位があります。ここでは優先順位の最も高いものをご紹介します。
- 死亡診断書(死体検案書) :一番最初の手続き(医師から交付される)
- 死亡届 :7日以内(一般的に亡くなった方の死亡地の市区町村へ提出する)
- 火葬許可申請書 :7日以内(一般的に死亡届と一緒に提出する)
- 葬儀・納骨の手配 :できる限り早く(亡くなった方の最寄りの葬儀屋に頼む)
- 埋葬許可証 :火葬後(火葬後に火葬場より交付される)
- 世帯主変更 :14日以内(亡くなった方が住んでいた市区町村へ提出)
- 介護・国民健康保険資格喪失:14日以内(亡くなった方が住んでいた市区町村へ提出)
- 国民健康保険以外の資格喪失:5日以内(年金事務所・勤務先へ提出)
以上、7つが期限に余裕のない手続です。
1235は順番に行わなければならず、また7日以内と期限が短くなっています。
4はいろいろ手伝ってくれることもありますので、可能な限り早く手配する方がよいです。
6~8は亡くなられた方により異なりますので確認しながら手続きをしなければなりません。
役所への手続きの際、余裕があればあわせて次の書類の確認をしておくと
今後の相続手続きがしやすくなります。
- 戸籍謄本(亡くなられた方・相続人)
- 住民票の写し(亡くなられた方)
- 印鑑証明書(相続人)
特に印鑑証明は相続人が印鑑証明登録をされていない場合、速やかに登録されることをお勧めします。
②期限に余裕のある手続き
ここでは、①の手続きや葬儀が一通り終わった後に行う手続きをご紹介します。
主に亡くなられた方に関する手続き・届出となります。
そのほか、亡くなられた方に配偶者等がいる場合、名字や婚姻関係に関する手続き・届出があります。
手続きする内容は多くなっており非常に大変です。一つ一つ確認しながら漏れのないよう行わなければなりません。
以下は期限がある内容・相続人に関わる内容です。
- 亡くなられた方の所得税の準確定申告 :4か月以内(税務署へ申告)
- 葬祭費・埋葬料の請求 :時効が2年あり(葬祭費:国民健康保険等/埋葬料:国民健康保険以外)
- 高額医療費払い戻し申請 :時効が2年あり
- 名字を婚姻前に戻す届出 :期限なし
- 婚姻関係を終了する届出 :期限なし
- 亡くなられた方の事業を承継する申請 :4か月以内
1は収入額や所得により提出不要の場合もあります。税務署等へ確認をお勧めします。
2は葬儀を行った喪主等に対して支給される費用等です。亡くなられた方の健康保険の種類等により申請先が異なりますので確認が必要です。ちなみに金額は約3~5万円支給されます。
3は健康保険の種類により申請先が異なります。
4は配偶者本人が自由に決めることができます。ただし、お子さんがいる場合は手続きが必要です。
5は配偶者は亡くなられた方の親族との関係も終了してしまいます。行う際は十分に検討が必要です。
次の内容は、亡くなられた方の身の回りに関する内容です。自動的に失効・無効となるものや、費用が発生し続けるものもありますのでお早めの手続きをお勧めします。
以下の内容は一般的なものです。ご参照下さい。
- 電気・ガス・水道・NHK
- 固定電話・携帯電話・インターネット
- マイナンバーカード
- 運転免許証
- パスポート
- クレジットカード
- 各種会員カード
2の固定電話は相続財産(電話加入権)です。そのため、相続手続きが必要です。
3は死亡届出を提出すると自動的に失効しますので返納は不要です。
4は更新手続きを行わなければ自動的に無効となります。
7で、ゴルフ会員権などの場合、相続財産にあたる場合があり、確認が必要です。
最後は、亡くなられた方が各種年金を受給していた場合、年金受給停止をしなければなりません。
また、亡くなられた方が一家の大黒柱であった場合、残された相続人の生活のため一定の要件を満たせば遺族年金等が受給することができます。
遺族年金は亡くなられた方の年金加入の種類や、年金受給時期等により内容が異なります。
内容は複雑なため、年金事務所などに相談することをお勧めします。
そのほか、お子さんがいるご家庭の場合、児童扶養手当も確認することをお勧めします。
遺族年金を受給していない場合や遺族年金を受給していても、児童扶養手当のより金額が低ければ差額を児童手当として受け取ることができます。
まずは、各市区町村へ相談することをお勧めします。
③相続に関する手続き
最後の3つ目は、相続に関する手続きです。
相続に関する手続きは、まさに十人十色で、その家族ごとによります。
そのため相続に関する手続きは改めてブログで書きたいと思います。
ちなみに以下は、ザックリとした相続手続きの内容です。※順不当
- 相続財産の確認
- 相続人の確認
- 遺言書の確認
- 遺産分割協議
- 各種相続手続き
相続は遺言書がある場合、手続きのスムーズに行われます。
できる限り、家族内で紛争とならないよう被相続人は遺言書を用意しておくことをお勧めします。
以上、家族が亡くなった時、まず何をすればよいかをご紹介しました。
上記は一般的な流れです。細かいところでわからない場合は我々行政書士や市区町村などに
ご相談をお願いします。